フィリピン英語

フィリピン人はなぜ英語が得意?実際どれくらい話せる?在住者が歴史・教育・データをもとに徹底解説

2026年7月31日

フィリピン旅行の話をしていると、必ず一人は現れる「あそこは全員英語ペラペラだからね」となぜか得意げに語るマン。

レアジョブなどの日本で人気な英会話サービスを開けば、地球上のフィリピン人を全員集結させたんじゃないかと思うほど在籍しているフィリピン人講師たち。

こうした状況から、世間では『フィリピン人=全員イングリッシュスピーカー説』が猛烈な嵐となって吹き荒れています。

本当に?

フィリピンで生活しフィリピン企業で働く中で、マニラの超高層ビル街から田舎のローカル村、財閥の御令嬢から路地裏の怪しいおじさんまで、数百人ものフィリピン人とガチで会話を重ねてきたぼくが、その「フィリピン英語最強伝説」のリアルを徹底解説します。。

フィリピン人の英語力はアジア2位?データで見る実際のレベル

参考となる評価基準として、スウェーデンで創立された国際教育会社のEFが毎年公開している英語能力指数というものがあります。いわゆる「英語がネイティブじゃない国の英語力を調査した結果」です。最新(2025年)の調査結果によると、アジア各国のランキングは以下の通り。

  1. マレーシア(世界ランキング 24位)
  2. フィリピン (世界ランキング 28位)
  3. 香港(世界ランキング 39位)
  4. 韓国(世界ランキング 48位)
  5. ネパール(世界ランキング 58位)

ちなみに2024年はシンガポールがアジア1位(世界ランキング 4位)でしたが、2025年からは「お前らはもうnative English-speaking countryってことにします」という感じでランキングからは除外されました。

つまり、非ネイティブ国としては、フィリピンはアジアで2番目に英語ができる国という訳です。ちなみに日本はアジアの中では18番目、世界ランキングでは96位なので、日本と比べるとフィリピン人はめちゃくちゃ英語ができる、と言っても過言ではないでしょう。

フィリピン人が英語が得意な理由

ではなぜフィリピン人は英語が得意になったのか?その理由を3つの側面から説明します。

なぜ英語が得意なのか①:アメリカ統治の歴史

一番の要因は、アメリカの植民地支配を受けていた歴史的背景にあります。

フィリピンの統治者の変遷をざっくり整理すると以下の通り。

  • スペイン統治(1565年〜1898年)
  • アメリカ統治(1898年〜1946年。ただし1942〜1945年は日本が占領)
  • 1946年に独立

スペインは3世紀以上フィリピンを支配しましたが、熱帯の島々という地理的条件などから、スペイン語を庶民にまで浸透させることはできませんでした。状況が変わったのは、1898年の米西戦争でスペインが敗れ、統治者がアメリカになってから。

アメリカは莫大な資金を投じて英語を普及させ、教育・新聞・書籍・映画・ラジオなど、あらゆる場面からスペイン語を一掃し、英語に置き換えていきました。

なぜ英語が得意なのか②:英語が公用語、そして授業も英語

英語は、1935年発布の憲法ですでに公用語の一つと定められ、1987年の現行憲法でもフィリピノ語とともに公用語と明記されています。

その影響もあり、公的機関で目にする書類はまず基本的に全部英語です。街中の看板や広告でも英語が当たり前のように使われています。ちなみにビジネスシーンでも同様で、それがたとえフィリピン人しかいないような会社であっても、報告書・マニュアル・契約書などの正式な書類は英語で作成され、タガログ語を見かけるのはちょっとしたメールやチャットのメッセージだけだったりします。(ただしガチ目のメールは英語)

ちなみに教育現場では、英語とフィリピノ語(タガログ語)を併用するバイリンガル教育が国の方針。ざっくり言うと、

  • 音楽・保健体育・社会・道徳などは**タガログ語**
  • 算数・理科・技術などは**英語**

という棲み分けです。つまりフィリピン人は、小学校の頃から当たり前のように多くの科目を英語の教科書・授業で学んできたわけです。

ちなみにここでサラッと出てきた「フィリピノ語」と「タガログ語」、実はこの2つの関係がなかなかややこしいです。気になった方はこちらもどうぞ。

なぜ英語が得意なのか③:そもそも英語じゃないと表現できないことが多い

もう一つ見落とされがちなのが、英語で高等教育を行ってきた結果、専門的な語彙がタガログ語側で発達しなかったという事情です。

特に理工学・法務・財務といった専門分野になると、タガログ語では表現できない概念が多く、英語をそのまま使うのが当たり前です。タガログ語に翻訳された単語が存在しなかったり、仮に無理やりタガログ語で言おうとしたとしても、やたら長くなったり回りくどい表現になったりするのだとか…

例えば、フィリピン人の同僚と他愛のない英語あるあるトークを繰り広げようとしたとき、彼からの返答は意外なものでした。

ぼく
ぼく

そういやstatistics (統計学) って英単語を始めて知ったとき、うまく発音できなかったんだよね。sとt 詰め込みすぎだろあれ。日本じゃわざわざ英語でstatisticsって言う機会も無いから、なかなか慣れないわ。

え?日本語には statistics を表す単語があるの?

フィリピン人 ※
フィリピン人 ※
ぼく
ぼく

え?あ、うん、あるよ
(他愛のない英語あるあるトーク終了)

そういう事情もあって、たとえフィリピン人同士がタガログ語で会話するときでも、ところどころに英語混じったTaglish(タグリッシュ)になるのが一般的です。

フィリピンでの生活や仕事からくる過度のストレスにより、ぼくの脳内では、相対するすべてのフィリピン人が猫耳美少女に自動変換されています(防衛本能)

実際のところフィリピン人はみんな英語を話せる?【レベル別割合と遭遇率】

じゃあフィリピン人の全員が全員、英語を話せるかと言うと、ぶっちゃけそんなことはありません。

流暢に英語を話す人、訛りや不自然さはありつつも日常会話くらいはできる人、ほとんど話せない人など様々です。

ぼくがこれまでに様々なフィリピン人と会話してきた経験をもとに大まかに4つの段階にレベル分けしてみました。

ちなみにそれぞれの遭遇率のパーセンテージはあくまでぼくの体感です。

日本人の駐在員が遭遇するフィリピン人たちの英語レベル」くらいの感覚で参考にしてください。

① アメリカ・イギリス人並の英語を話す人たち

発音も語彙もスピードも英語ネイティブと同レベルの人たち。これはさすがにめっちゃレアです。

遭遇率は1~2%くらい。

親が金持ちでアメリカに留学していたとか、幼少期から英才教育を受けていたとか、そういうごく一部の人達です。

財閥系のエリート社員でも、このレベルの人はめったにお目にかかれません。

日本人でもたまーにいるじゃないですか。目を閉じて聞いていればマジでアメリカ人なんちゃうかと思ってしまうレベルの英語ペラペラな人。ぶっちゃけその遭遇率とそう変わりません。

② アメリカ・イギリス英語とは違うけど、流暢に話せる人たち (いわゆる"フィリピン英語"話者)

アメリカ・イギリス英語と比較すると発音や語彙などがちょっと独特だなーと感じるものの、フィリピン独自の英語として自在にスラスラと会話できるレベルの人たち。

遭遇率は35%くらい。他の国と比べてこの層が厚いのがフィリピンの強いところだと思います。いい大学を出ていい会社に勤めている人はだいたいこのレベルかな、といったところです。

この層の人たちが話すフィリピン英語度合いにもけっこう幅があって、だいたい年齢層が高いほど、都市部から離れるほど、訛りが強くなるという印象です。中には訛りが強すぎて何言っているのか全然わからんって感じの人もいます。

ただ、仕事の中で英語を使う機会がそれなりにある人たちや、外国人を相手にする商売をしている人たちは、なかなか流暢に英語を操ります。

ちなみに冒頭で触れた英会話や留学サービスで講師を務める講師も英語力が非常に高い部類で、特に評価の高い講師はアメリカ英語に限りなく近いレベルだったりします。

③ ぎこちなさは感じるけど、なんとか英語でやりとりできる人たち

なんだかんだで日常生活の中で一番触れる機会の多い人たちがこのレベルだと感じます。

スラスラと喋るというよりは、喋っている途中で「あー…」とか「これ英語でなんて言うんだっけ?」とかみたいな感じで、ちょいちょいつまりながら、それでもちゃんと言いたいことは言えるくらいの英語力を持つ人たちですね。

遭遇率は50%くらい。街なかで会話する機会のある人だと、ショッピングモールやコンビニの店員さん、セキュリティガードの人たちなどがこのレベルです。大卒の会社員であっても、普段英語をほとんど使うことのない人たちもこのレベルだったりします。

もちろんモールの店員さんたちの間でもかなり差があって、例えばそれなりにお高いブランドであったり、外国人がよく行く店舗の店員さんは↑の②くらいのレベルであることもあります。
(ちなみにフィリピンでは、若者が多い割に限られたごく一部しか上流職に就けないなどといった厳しい事情もあり、モールの店員として働いている大卒もたくさんいます)

④ 基本的に現地語しか話せない人たち

要するに、英語が苦手な日本人と同じくらいのレベルです。

長めのセンテンスで話すとほぼ通じないけれど、簡単な単語を一つずつ言えばなんとかコミュニケーションが取れる、くらいの感じです。

例えば、「Can I have two bottles of water, please? (水のボトルを2本ください)」だとなかなか通じないけど、「Two Water, Please!」とゆっくり言えば伝わるくらいのレベルです。

ちはみに簡単な単語であっても、フィリピン英語の発音に寄せないと通じないことも多々あります。

遭遇率は15%弱ってところ。オフィスで給仕をやってくれている人たちとか、コンドミニアムの清掃スタッフの人たちの多くがこのレベルです。あまり外国人がいかないような地方に行くと、モールやレストランの店員さんたちがこのレベルであることも珍しくありません。

基本的に仕事でも私生活でも英語を使う機会がほとんどない人たちなので、当然といえば当然です。また、いろんな事情があってそもそも子供の頃からちゃんとした教育を受けられなかった人たちも少なくないので、そういう人たちにとって英語で会話するのはなかなかハードルが高かったりします。

結論: だいたいみんな英語でコミュニケーションは取れる

「フィリピン人はどれくらい英語ができるのか」という問いに一言で答えるなら、「全員が全員、英語ペラペラってほどではないけれど、8割くらいは英語で普通にコミュニケーションは取れるし、アメリカ英語に限りなく近いレベルの人もそこそこいる」といったところです。

フィリピン国内の旅行先で英語がまったく通じないなんてことはめったに起こらないし、オンライン会話でフィリピン人講師にあたっても「この人から英語を学んでも大丈夫か・・・?」と心配することもありません。特に評価が高いフィリピン人講師の中には、ネイティブのアメリカ人並の英語を使いこなす人もそこそこいます。

それではぼくは、今日も目の前のフィリピン人(※脳内で自動変換された猫耳美少女)と仕事の英語バトルに戻ります。皆さんも良いフィリピン英語ライフを!

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